倉田 東海典礼さんは名古屋で有名な葬儀会社ですが、どのように成長されたのでしょうか。
植木 ええ、お陰様で。施主様は年々増える傾向にあります―とは言っても、亡くなる方が増えていることもありますが、他社と比べ、割合的に私共でお送りする故人様が増えているのです。
倉田 つまり、他社の葬儀がこちらに移行していると。やはり、CMの影響が大きいのでしょうか。
植木 いえ、確かに広告は打っていますが、宣伝効果はそれほど大きくはありませんよ。殆どが口コミでしょうか。ある葬儀を終え、そちらに参列されていた方々から「こんな葬式は初めてだ」とお褒めの言葉を戴いたり、「名刺を貰えないか」と話しかけて下さることなど、しばしばありますからね。
倉田 何か、特別な葬儀を行っておられるのですか。
植木 何もしていませんよ(笑)。形式は通常のものと同じです。ただ1点、心構えが異なるかもしれませんね。
当社は「どんなに素晴らしい祭壇であっても、心をこめたサービスには及ばない」を会社理念としております。この理念の下、スタッフ全員が一丸となって、施主様にご奉仕しているのです。
植木 私は葬儀の道に入った当初から、葬祭業はサービス業だと捉えております。葬儀に臨まれる施主様は、どなたも精神的に不安定です。それはそうですよね、大切な方が亡くなった直後なのですから。そうしますと、通常の精神状態にある方なら何でもない振る舞い、言葉でも、施主様を深く傷つけてしまうことだってあるわけです。だからこそ、葬祭業はサービス業、つまりホテルマンと同じような接客業であると。